2.クロゴケの仲間(クロゴケ亜綱、クロゴケ目、クロゴケ科、クロゴケ属、2種)

「概略」
日本に2種が知られている。この内の1種、クロゴケは、高山の山頂や尾根などの岩上に黒い固まりを作って生育し、「高山蘚」の代表と言われている。

「特徴」(体のつくり)
岩上に生育している状態は、見かけ上、ギボウシゴケの仲間に見えるが、植物体のマットを良く見ると、ちょうちんのような形の朔がマットの上にとびでていることがあり、区別は容易である。朔が縦に4列し、ちょうちん形になる点は、蘚類の中で、クロゴケの仲間だけである。

「観察・同定のポイント」
肉眼やルーペでは、朔がついていないかどうか、また、茎の先端に、普通葉より大きく鞘状の包葉があるかどうかを観察する。
 顕微鏡では、葉の全形、中肋の有無、葉身細胞の形、乳頭の形状を観察する。

「身近な、分かり易い種」
クロゴケ:高山の岩上。葉の中ほどがくびれる。中肋はない。

@ガッサンクロゴケ:高山で水しぶきがかかる岩上や水がしたたる岩壁上に生育する。クロゴケの葉は中肋がないのに対して、ガッサンクロゴケの葉には中肋がある。